パパはニュースキャスター

『ギネ』を結構毎週楽しんで見ていた。ロボットのごとくプログラムされた事しか理解せず、毎回キメ台詞の「カイザーグレードエー」を無表情にロボットの信号のように叫ぶ藤原紀香。産科医療の崩壊や医療裁判など社会問題は盛り込まれていたが、結局のところ私的このドラマの見所は藤原紀香のロボット性だった。紀香ってなんかどうもロボットっぽいな、と常々思っていたのだ。なんだろう、ガタイのよさとかプログラミングされたかのような『正解』の表情とかがそう思わせるのか。ここはこの顔が『正解』みたいな正しさがあるよね。曖昧さがないというかなんというか。それはそれで持ち味だしその持ち味がこのドラマの核だったと思うんだけど。他のドラマではキツイかなあ、などと思っていたら最終回の結婚式のシーンでそんなもんは吹っ飛んだ。常に入院している万年妊婦の患者と助産師のツーショット。これ『パパはニュースキャスター』じゃん!めぐみのツーショットじゃん!『愛』と書いて『めぐみ』じゃん!田村正和の娘役の2人が同じドラマに!最終回で気付くなんて、なんて迂闊なんだ自分。藤原紀香が吹き飛ばされた瞬間だった。最終回にこの2人をツーショットで抜くなんて、確信犯だな演出家。そしてその演出家は確実に『パパはニュースキャスター』を見て育った年代だ。つまり同年代だ。同年代の演出家が活躍するようになったんだな。めぐみの成長と共に己の成長も実感した最終回だった。あ、自分は成長じゃなく加齢か。失敬。